元請けに買い叩かれても、
仕方ないと思っていませんか
下請けの立場が弱いのは、あなたの腕の問題でも、性格の問題でもありません。
「今回は予算がないので、この金額でお願いします」
そう言われて、言われるままに単価を下げたことはありませんか。
技術はある。仕事も丁寧にやっている。それでも、元請けの一言で単価が決まってしまう。
「下請けだから仕方ない」——そう思っていませんか。
違います。
自分が法律で守られている立場だということを知らないまま、
元請けの言い値を受け入れています。
自分はこれまで、現場で累計52億円の売上を作ってきました。リフォーム営業だけで40億円超、最高単価は1件3,500万円です。元請けの立場からも、下請けの立場からも現場を見てきました。
その経験から言うと、知らないだけで本来主張できることを主張できていないケースが、本当に多いです。
下請代金支払遅延等防止法(下請法)という、下請けの立場を守るために存在する法律の考え方を、実務の視点でお伝えします。難しい法律用語の解説はしません。「現場で何が起きたら、それはおかしいことなのか」だけの話です。
※下請法が実際に適用されるかどうかは、取引の内容や元請け企業の規模などの条件によって変わります。個別の状況については、公正取引委員会や専門家にご確認ください。
【権利①】理由のない減額・買いたたきは、本来認められていない
一番知られていないのが、これです。
「今回は予算の都合で」「他社はもっと安くやっている」といった理由での一方的な減額や、通常より著しく低い金額を強いる買いたたきは、下請法の考え方では問題とされる行為です。
多くの職人さんは「元請けが決めることだから」と受け入れてしまいますが、正当な理由のない減額は、本来おかしなことだと知っておいてください。
次に単価を下げられそうになったら、「その金額になる理由を教えていただけますか」と、一度だけ聞いてみてください。
理由を聞かれることを想定していない元請けも、少なくありません。
【権利②】発注内容は、口約束ではなく書面で受け取れる
「とりあえずこれで進めておいて」という口約束のまま工事が始まり、後から「言った言わない」でトラブルになるケースを何度も見てきました。
発注の内容(工事内容・金額・支払期日など)を書面で明示することは、下請け側を守るための基本の考え方です。
口約束だけで進めることに慣れてしまうと、いざという時に自分を守る材料がなくなります。
次の発注から、金額と工期だけでもいいので、LINEやメールなど文字に残る形でやり取りしてください。
電話や口頭でのやり取りの後に、「先ほどの件、〇〇円・〇月〇日でよろしいですか」と一言送るだけで十分です。
【権利③】代金の支払いを、正当な理由なく遅らせられ続けるのはおかしい
「入金は現場が終わってからずっと先」「気づいたら支払いがどんどん遅くなっている」
こうした状態を、資金繰りの都合として我慢し続けている職人さんは少なくありません。
代金の支払いを不当に遅らせることも、下請け側の経営を圧迫する行為として問題視される考え方があります。「うちだけ特別扱いしてほしい」という話ではなく、決められた条件通りに支払われるのが本来の姿です。
支払いのタイミングが曖昧なまま取引が続いている元請けがあれば、次の商談で「支払いサイトを改めて確認させてください」と、一度だけ聞いてみてください。
まとめ:買い叩かれて当然、ではありません
- 権利① 理由のない減額・買いたたき → 「なぜですか」と一度聞く
- 権利② 口約束での発注 → 文字に残る形でやり取りする
- 権利③ 不当な支払い遅延 → 支払い条件を一度確認する
3つすべてを一度に主張する必要はありません。
まず今日、権利②の「文字に残す」だけ試してください。これはお金も準備もいりません。今日から使えます。
知らないまま我慢するのと、知った上で選ぶのとでは、これから先がまったく違います。
この交渉自体が必要なくなります。
権利を知ることは大切です。ただ、根本的な解決は「元請けになること」でしか得られません。値段を決める権利を、自分の側に持つことです。
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